信号のある交差点でどちらも青を主張したら、どのようにして解決するか

【信号にもいろいろあるけれど、全青はないだろう】

どちらも青・青主張の場合の解決を難しくしている理由

信号のある交差点で、直進車と交差道路からの直進車が出合頭に衝突する事故がある。ときどき困ったことに、どちらも青を主張することがある。どちらも青などということはありえないにもかかわらず、あると主張しているわけだから、どっちかがウソをついているか、勘違いしている。この種の信号の色に関するトラブルは、調査員泣かせの事故のひとつなのである。

事故被害者の中には、信号の色に食い違いがあっても、専門家が調べればかんたんに分かると思っている人も多い。中には、クルマの傷の具合でわかると思い込んでいる人もいた。クルマの傷とか、ブレーキ痕とかと、信号の色は因果関係がない。相関関係すらない。まったく別物なのである。

そして、この種の事故は過失割合の評価についてさらに問題をややこしくさせている。たいていの事故は、両者に事故状況の食い違いがあっても修正要素としての過失10~20%ていどの範囲内で決着することが多い。しかし、信号の色に関するトラブルは、青だと認められるか、それとも赤だと認められるかで、オール・オア・ナッシング、すなわち0対100か100対0というように両極端に過失割合が違ってくる。そのため、青を主張して赤だと評価されると、天国にいけると思っていた人が地獄に突き落とされるようなものである。

さらにさらにややこしくしているのが、信号無視による事故が重大事故になる可能性が高いことだ。死亡とか、重症例が非常に多い。死亡事故のばあいはいわゆる死人に口なし、重症例でも被害者は事故時の記憶が飛んだ方が少なくないから、加害者は赤を青だとウソをつきたい心理が倍加される。

青・青主張の場合の目撃者探し

信号の色に食い違いがあると、警察は目撃者探しに一生懸命になる。逆に言うと、目撃者がいない、いてもだれなのかわからない場合は、解決が相当に難航する。

警視庁交通鑑識業務に長年従事した藤岡弘美氏は、氏の著書である「交通事故調査の手法・手引き」(保険毎日新聞社・P60)にて、以下のようなことを書いている。

(双方青・青主張の)場合、現場調査に基づいた各資料から総合的に判断検討して、結論を導くより方法はなく、このような事故にあっては取扱い警察においても、双方の冷却期間をおく等その処理期間が長期にわたり、警察調査においても結論を導き出すことはできない。この場合「交通事故証明書の当事者別または事故態様別欄記載事項」を参考とし、後に科学的に結論付ける方法しかない。

 
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事故証明書の記載はなんの参考にもならない

要するに、お手上げだよと、白旗をあげているのである。詳しく説明すると、藤岡氏は「交通事故証明書の当事者別または事故態様別欄記載事項」を参考とし、後に科学的に結論付ける方法しかないというが、本件のようなどちらが青でどちらが赤なのか争いがある場合は、交通事故証明書の当事者別である甲・乙は、まったく参考にならない。というのも、双方青・青主張の場合はどちらを甲(過失の大きいほう)にし、どちらを乙(過失の小さいほう)にするかは決めようがないからである。詳細については、「交通事故証明書の甲・乙の見方」という記事で書いた。そちらでぜひ確認してほしい。

警察でさえ白旗をあげているこの種の事案に対して、目撃者がいない場合はどうやって解決するのだろうか。そのための解決法をこれから書くことにしよう。

その前に、信号のある交差点の事故なのだから、信号についての基本的なことをまずは確認することから始めよう。

信号のシステムについて

交通信号機は導入された当初、それぞれ単独で制御されていました。信号の切り替えも1つのパターンしかなく、それをシーケンス制御(順序制御)で繰り返していました。

しかし、同じ交差点であっても、交通量は一定ではありません。朝夕のラッシュ時と、昼間や夜間では、交通量も車の流れる方向も異なります。それに対応できるように、その後の交通信号機は信号切り替えのパターンを時間帯に応じて多段制御できるようになりました。

交通量の激しい地域では、さらに感応制御も加えられました。交差点の直前などに車両感知器を設置して、交通量の多少に応じて信号切り替えのタイミングを調整できるようにしたのです。歩行者用の押しボタン制御もその一環です。
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交通信号機が連なる地域では、それらを連動させる系統制御も行われます。クルマの走行に応じて進行方向の信号を次々と青にし、スムーズなクルマの流れを作り出すものです。そのための信号切り替えのパターンがいくつも用意され、交通状況に応じて使い分けられるようになりました。
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道路が網の目のように張り巡らされた都市部では、近隣の交通信号機をまとめてコンピュータ制御する方法がとられています。車両感知器を随所に配置することで、交通状況をリアルタイムに監視し、その情報にもとづいてコンピュータがその近隣の交通信号機をまとめて制御します。
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その地域の交通状況に応じて、交通信号機のこうした制御方法は使い分けられています。地域によって、信号の切り替わるタイミングが異なるのはそのためです。

「いつ青信号にするのか」、そして「どのくらいの間、青信号にしておくのか」というのは、交通信号機が持ち続ける大きな課題です。その成果が、事故防止や渋滞につながっていくのです。

「多段制御」
カレンダーを内蔵し、曜日や時間ごとの交通量にあわせたプログラムを実行する。

「感応制御」
車両を感知器で検出し、状況に応じて信号機を制御する。たとえば、路線バスを感知したら、通過するまで赤信号にしない制御などがある。(P13~15)

信号機の青・黄・赤を点灯する場合、そのタイミングの設定をどうしているのか。そのタイミングの表し方には、[サイクル][スプリット][オフセット]の3種がある。そのことについて、「公益財団法人日本交通管理技術協会」のサイトに詳しい説明があったので、以下の記載はそちらから引用した。

●サイクル(Cycle)
信号灯が青→黄→赤と一巡する時間を[サイクル]または[周期]といい、その長さを“秒”で表します。サイクルが短すぎると通行できる量が少なく渋滞の原因となります。逆に長すぎるとムダな時間が増えます。サイクルは、交通量、交差点の大きさ、歩行者の横断時間などを考慮して最適な長さを決定します。一般に交通量の多い交差点では長くしています。

●スプリット(Split)
1サイクルの時間のうち、各現示に割り当てられる時間配分は[スプリット]といい“パーセント”で表します。交通量の多い主道路側と、あまり多くない従道路側、どちらも同じ時間を占めると時間のムダが生じます。そこで、交通量に応じたスプリットが必要になってくるわけです。たとえば100秒サイクルの場合、主道路側に60パーセント(60秒)、従道路側に40パーセント(40秒)というように割り振りします。

●オフセット(Offset)
幹線道路を走る車が、信号により停止することなく、各交差点をスムーズに通過できるように、隣接する交差点間の青信号開始時間にずれを持たせます。この時間のずれを[オフセット]といい、1サイクルの時間に対する“パーセント”または“秒”で表します。
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たとえば、100秒サイクルの信号機A、Bがあり、AB間の青信号開始時間に10秒の差がある場合は、10パーセントまたは10秒のオフセットがあるといいます。

【参考】
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信号の色の法的意味について(道路交通法施行令2条)

法令文は悪文の見本のような文章なので、テキトウに流し読みしていただいてかまわない。

赤信号の意味

①歩行者は、道路を横断してはならないこと。
②車両等は、停止位置を超えて進行してはならないこと。
③交差点においてすでに左折している車両等は、そのまま進行することができること。
④交差点においてすでに右折している車両等(多通行帯道路等進行原付および軽車両を除く)は、青信号により進行するができることとされている車両等の進行を妨害してはならないこと。
⑤交差点においてすでに右折している多通行帯道路等進行原付および軽車両は、その右折している地点において停止しなければならないこと。

青信号の意味

①歩行者は、進行することができること。
②自動車、原付(右折につき原付が法34条5項本文の規定によることとされる交差点を通行する原付(「多通行帯道路等進行原付」と表現することにする)を除く)、トロリーバスおよび路面電車は、直進し、左折し、または右折することができること。
③多通行帯道路等進行原付および軽車両は、直進(右折しようとして右折する地点まで直進し、その地点において右折することを含む。青信号→の項を除き、以下この条において同じ)をし、または左折することができること。

黄信号の意味

①歩行者は、道路の横断を始めてはならず、また、道路を横断している歩行者は、すみやかに、その横断を終わるか、または横断をやめて引き返さなければならないこと。
②車両および路面電車は、停止位置をこえて進行してはならないこと。ただし、黄信号が表示された時において当該停止位置に近接しているため安全に停止することができない場合を除く。

保険調査における信号サイクル調査のいいかげんさ

信号のある交差点で事故が起きた場合、信号の色がどのように変わるのか、そのサイクルを調べる。しかし、上の本に書いてあるように、信号サイクルは必ずしも一定ではない。現に、ぼくは、青が何秒で、黄色が何秒で、赤が何秒なのか、ストップウォッチを使ったり、ビデオを使ったりして、現場で何度も計測するのだが、測るたびに数値が違うことがよくあった。数値が一定しなかったことが多かったのだ。

そのうちめんどくさくなって、3回やってそのうち2回一致したらその数値を信号サイクルだとしたり、まったく一致することがない場合は、計測した中の中間値を採用したりした。すなわち、定周期で信号が変わらないのがわかっているのに、定周期式信号機だと勝手に解釈していたわけである。しかも、事故が起きた時と同じ時間帯に実施していたわけではない。

このように、保険調査における信号サイクル調査は実にいいかげんなのである。正確な信号サイクルを知りたいと思ったら、警察から信号サイクル表を入手するしかないのだ。しかし、そうかんたんに入手できないし、物損事故だと、入手も不可能なのでもうお手上げなのである。

解決法その1・信号間のずれから

信号のオフセット、すなわち隣接する信号間に信号点灯のずれを設けて交通をスムーズにしている。その時間差にも注意して、事故時の信号の色を推定する方法がある。事故現場のA交差点の手前の交差点、さらにもう1つ手前の交差点の進入時の信号が何色だったかを確認することによって、隣接交差点間の距離、車の速度などから、事故現場の信号の色を推定する方法である。保険調査をやるとき、必ずと言っていいほどの確認事項のひとつである。

ただ、ぼく自身はこの調査で推定が可能だったとしても、その結論には大きな疑問符がつく。事故現場の信号の色はさすがに覚えているだろうが、その手前の交差点の信号の色が何だったかなんて覚えていることは少ない。さらにもうひとつ手前の交差点の色まで、ふつうは覚えているはずがないのである。

ところが、事故当事者に確認すると、どういうわけだか、どの色だったのかちゃんと答える人が意外と多いのだ。何も答えないと、信号も見ていないのかと思われ、不利になるとでも思ってか、思いつくままに答えていることが非常に多いように、ぼくには思われた。しかし、軽率にも信号の色が何だったか答えてしまうと、いわゆる「禁反言の原則」が適用されて、はっきり答えれば答えるほどますます自分を窮地に追い込むことになりかねない。要するに、あなたはあのときこう説明したじゃないの、その言説に責任を持ちなさいよということになるのである。

「禁反言の原則」とは

自分のとった言動に矛盾する態度をとることは許されないという原則・考え方を禁反言の原則もしくは禁反言の法理という。一度言ったことやしたことに対する相手方の信頼を裏切る不誠実な行為は、民法1条2項にある信義則に反するため、認められないということである。

【出典:法律勉強ノート

解決法その2・現場周辺の状況確認から

事故現場の周辺の状況から確認する方法である。こちらのほうが精度は高いと、ぼくは思う。

周辺の状況というのは、もし第一車線を走行していたなら、第二車線はどうだったのか、あるいは、交差道路側の車の状況、すなわち停止車両がいたのかどうか、いたとしてどのような状態だったのか。信号無視をした側は、このような細部について覚えていないことが圧倒的に多い。

仮に覚えていても、自分は信号を無視した側だから、整合性を問われ、ばれるのではないかと不安になって、細部について答えないことが多い。しかし、青信号で進入した側は、自分の記憶どおりに説明すればそれが事実そのものなのだから、覚えていることは何でも説明しようとする。

裁判官の書いた本に、「信号の色の食い違いがある場合の双方に対する質問事項と回答の評価」というのがあった。「評価」に同意できかねる部分もあるが、最低限のことは書かれているので、どういうことを確認すべきかを知るための参考に引用しよう。

ア 衝突前、最後に青信号を見たのは、どの地点か。

交差点のかなり手前に青信号を見たのであれば、交差点進入時には赤色に変わっていた可能性がある。・・・

 
イ 衝突の直後に信号を見たか。(その後、何秒後に信号が変わったか。)

(ア)青信号であった場合で、直後に黄色に変わったというのであれば、進入時に青色であった可能性が高いといえる。

 

(イ)赤色であり、直後に黄色に変わったというのであれば、進入時に赤色であったということになる。

 
これらの事実の確認のために、警察の信号サイクル表を当事者に提出させる必要がある場合がある。

ウ 交差点に入る前に、信号待ちをしていたかどうか。

信号待ちをしていた場合、信号が青色に変わった後で交差点に進入した可能性が高い。先頭で停止していた場合は、見切り発車をしている可能性がある。

 
エ 衝突前、前後を走行していた車両があったか否か。

(ア)前後を走行していた車両があれば、青色であった可能性が高い。信号無視をして交差点に入る車両はほとんどいない。

 

(イ)前後を走行していた車両がなかった場合、赤色であった可能性がある。

 

(ウ)前後を走行していた車両があったというだけでは、青色であったとは言い切れない(直前に赤色に変わっている可能性がある。)

 
「事故当時の現場付近における車両の通行量(同一方向、反対方向、交差道路のそれぞれの)」、「右折車両、右折のために停止していた車両の有無」も質問する必要がある場合がある。

横断歩道がある場合は、横断していた歩行者や自転車の有無、その状態(進行していたか、信号待ちをしていたか等。)も質問する必要がある場合もある。
オ 衝突後、交差点に進入してきた車両があったかどうか。

(ア)直後に進入してきた車両があれば、青色であった可能性が高い。

 

(イ)進入してきた車両がない場合、赤色であった可能性が高い。
 信号を無視して交差点に入る車両はほとんどない。

(P25-26)

解決法その3・事故証明書の発生時刻から

事故証明書の記載中の事故発生日時からどちらが信号無視したのかを決める方法もないわけではない。「発生日時」が正確にわかるなら、事故時の信号の色が何色だったのか、信号サイクル表を確保できればわかるからだ。

しかし、これもきわめて例外的な場合でないと参考になりそうにない。信号サイクル図を添付したので見ていただくとわかるが、そこでの周期は70秒であり、信号の青や赤は数十秒単位で変わっていた。こういうパタンが多いのである。

「発生日時」が正確にわかるならともかく、事故証明書に記載されている「発生日時」は数十秒あるいは数分程度の誤差があるのがふつうだからである。だいたいが、事故証明書の事故「発生日時」は「11時40分ごろ」とかというように「ごろ」とはいっていることが多いし、時刻も40分とか50分とか実に区切りのいい表記のされ方が多い。

ときどき、たとえば「11時3分」と記載されていたとしても、信号の色が数十秒あるいは1分数十秒程度で変わってしまうことが多いことを考えると、交通事故証明書や事故当事者の説明から事故発生時間を決定できるのはきわめて例外的な場合に限定されるだろう。こういうのは決め手にならないだろう。机上の空論に終わることが多い。

人身事故では立証責任が転換される

他に重要なものとしては、「交通関係訴訟の実務」という本にある以下の記載だ。引用しよう。

信号機により交通整理のされている交差点における出合頭衝突事故の事案(双方が相手が赤信号無視があるとして互いに損害賠償請求した事案)について、東京地裁 昭和58年8月25日判決を引用し、「同裁判例は、自賠法3条に基づく人身損害の請求と民法709条、715条に基づく物的損害の請求とを区別することなく、真偽不明の部分については加害者の不利益に帰するものとして過失相殺をしない」(P308)としている。ご紹介した判例の詳細については最後の「関連記事」中の「判例タイムズの過失相殺基準本では解決できそうにない交差点での出合頭衝突事故」という記事で取り上げているので、ぜひ参照してください。

より正確な解決法

上記4つの方法についての特徴をあげ、問題点についても書いた。いずれも決め手に欠けるところがあるのだ。そこで、いまいちど、民事上の立証について確認しておきたい。

林屋礼二「新民事訴訟法概要」(P298)によれば、

自然科学的な証明は、1点の疑いも残さずに、それが真実であることをあきらかにするものであるから、ここでは、なんども実験が繰り返されて、真実が追求されていく。これに対して、裁判は、もちろん真実の追求をめざすが、1つの訴訟という手続のわくのなかで、相当の期限内に終結される必要があるから、そこでの証明を自然科学の証明と同じレベルで考えることはできない。ここから、裁判における証明は、真実であることの高度の蓋然性があることで、満足しなければならない。

そこで、自然科学における証明は真実の認識を目標とする論理的証明であるが、これに対して、裁判における証明は、真実の蓋然性の認識を目標とする歴史的証明でたりるといわれている。

この点から、右の確信とは、裁判官が10のうちの10まで存在したと信ずることを必要とするものではなくて、10のうちの8か9まで存在したと信じうることでたりるものとなる。その判定は、通常人が疑いを差しはさまない程度において、裁判官が真実であるとの確信をもちうるものであればよいとされている。


 
10のうちの10ではなくて、10のうちの8、9ということ、すなわち蓋然性を高めるということなら、解決法がありえる。調査員時代、これまでに青・青主張の事故をかなりの件数扱ってきたが、解決が困難といわれようが、現に解決することのほうが多かった。この種の事故をどれくらい扱ってきたのか。その経験値と、事故状況の細部にまでのこだわり、それを絵として再現できる調査員の眼がやはり必要だと思う。

これ以上書いてしまうといわゆるノウハウの部分にあたるためさし控えたい。ぼくが強調したいのは、有能な弁護士をつけることではなくて、有能な調査員をまずは自分の味方につけることである。ところが、弁護士ならそういう判断ができると勘違いされている方が非常に多い。はっきり言っておきたいが、たいていの弁護士は事故現場にさえ行きたがらない。その確認さえやらないのだ。それは軽微な物損事故にとどまらない。死亡事故でも弁護士は事故現場に行きたがらないと、当サイトでブックマークしている弁護士の先生が嘆いていた。そんなので、信号の争いが解決できるはずがない。

弁護士は法律のプロではあっても、調査のプロではない。ここを誤解されている方が非常に多い。調査員が不当に低評価されている現状があり、ぼくはそのことで怒っている。だから、ノウハウについて知りたければ、調査経験の豊富な調査員にまずは聞いてほしい。八方ふさがりの方はなおさらそうだ。よい解決法がみつかるかもしれない。ただし、ぼくらは神様ではないから、事故現場の確認を要すること、相手がどういう主張をしているのかその詳細がわかること。解決のためにはこの2点はどうしても欠かせない。

【追記】
解決法について知りたい方は問い合わせくださいと以前書いたことがあった。そのため、何人かの方から問い合わせをいただいた。中に、同業者と思われる方(損保のアジャスターの方)からも同様の問合せをいただいたことがあった。当方、ボランティアでやっているのだ。営利企業からの問い合わせについてはご遠慮ください。また、何か参考になる本がないかという質問もいただいた。参考になる本については記事の中で追記しておいた。事故被害者の方がそういった本を読まれるのはたいへんいいことだと思う。しかし、いちばんの解決法は本文中にも書いたように、調査経験の豊富な人に依頼することだ。それがいちばんだと思う。

【追記2】
双方青・青主張の事故については、そのことに関連する記事をいくつか書いた。最後のところに、「関連記事」として取り上げているので、どうぞ、そちらも確認してほしい。

【追記16・5・10】
内容そのものは変えていないが、わかりやすく書き改めた。

【追記16・6・20】
「信号の色の食い違いがある場合の双方に対する質問事項と回答の評価」を加筆した。

【追記17・06・16】
当記事のアクセスが落ち気味だったので、「人身事故は立証責任が転換される」という章を加えた。
 

コメント

    • Aさん
    • 2016年 6月 29日

    おはようございます。

    こちらのサイトを見て早速メールした次第です。

    7月25日 5:13分ごろ信号のある交差点で事故にあいました。
    こちらは青信号なのを同乗していた3人で確認して、信号に進入した時に交差点の真ん中で事故にあってしまいました。
    救急車が来る前に、事故の相手が降りてきて「大丈夫ですか?すみません」と言ってきたのと、病院で診察中に電話がかかってきて「すみません」と何度か誤ってきたので赤信号で進入してきたのを認めてるのかと思っていたのですが、よくよく話を聞いてみると「青信号か黄色で進入しました」と言ってきたのです。警察に状況を確認すると父親がまだ入院中のため現場検証が出来ないので、詳しいことはこれから調査します。と警察の方に言われてしまいました。
    どちらも青信号と主張しているので今後、どのように証拠集めをしたらいいのか教えて頂きたく思います。
    お忙しい中、お手数ですがよろしくお願いします。

      • ホームズ事務所
      • 2016年 6月 29日

      個人名をAさんに変えました。

      事故日が7月25日になっていますが、去年の事故ですか。それとも今年の6月25日とかの間違いなのでしょうか。文面からみるかぎりつい最近の事故のようですが、このあたりの情報は正確にお願いします。

      さらにもうひとつ、事故現場はどこなのでしょう。Aさん側はどちらからどちらの方向に向け第何車線を走行していたのか。相手についても同様の情報をお知らせください。石川県やその近くなら実際に行ってみて現場確認が可能だからだし、それができないとしてもgoogleの地図で2次元的な確認ができるからです。

      個人名や事故現場については、当サイト上では伏せて回答しますので、上記2つの質問にまずはお答えください。

      個別の事例についてはプライバシーの問題もあり、そのばあいはAさんあてへメール回答します。ただ、最新の記事で告知したことですが、現在、私的事情があり交通事故業務には一切タッチしていないため、あまり時間がとれないのが現状です。それでも質問だけ受け付けているのは、実戦から3年も4年も離れているため、勘を失いたくないためです。だから報酬もいらないとしています。

      無報酬だからといって手抜きをするつもりはありませんが、そのような事情もあることから、一般的概括的なお返事になるかもしれませんので、ご了承願います。いずれにしろ、信号の色の食い違いについては相手の言い分も含めて精査しないことには解決できないこともご理解ください。

    • 2016年 9月 27日

    信号機色の主張の相違について相談させてください。

    バイク(私)と自転車の衝突事故に遭いました。
    バイク(私)が青信号で交差点に進入(第二通行帯)したところ、バイクの進行方向に対して左から右に自転車が横断歩道に侵入してきたため、衝突しました(詳細は下記)
    信号は確かに青信号だったため、私は事故発生後に駆けつけていただいた警察官へ”青信号だった”旨は伝えましたが、相手方は足を骨折しており、警察官の方が聞いていないのか、聞いたけどもあいまいな返答をしたのかは分かりませんが、その時点では警察官へは信号の色を伝えていなかったようです。(事故の翌日、担当の警官の方に聞きました)
    そして現在、相手方は青信号を主張しています。
    こちらは右半身打撲、右肩骨にヒビ、バイク全損など被害は小さくありません。
    後でモメないよう、警察官の方には念を押して信号の色を伝えたつもりですが、後々の主張で有耶無耶にされるのは、治療費、バイクの修理費などの点で非常に困ります。
    このようなケースの場合。どのように対処すべきかご教示ください。

      • ホームズ事務所
      • 2016年 9月 29日

      Tさんへ。事故の詳細情報については公開しませんでした。

      信号に争いがあるケースは非常に難案件なのです。目撃者がいるとか、これくらい大きな交差点ならカメラが設置されている可能性もありますが、そうでないときは、相手がどういう主張をしているかがわからないとどうにも先に進めません。ところで、実況見分は実施された? まだなら、いつごろ実施予定なのですか。

      現状、ぼくからのアドバイスといわれても、情報量が余りに少なすぎて・・・。とりあえず、進捗状況をメールしていただくしかありません。

  1. 検察官はこんな捜査手法を紹介しています。抜粋なのですべてお伝えできなくてすみません。

    1.事故直後の当事者双方の行動
    赤信号の人は最初から自分の信号が青と強く主張しない。時間が経つにつれてだそうです。
    ただ、積極的な証拠にはならないそうです。

    2.事故現場交差点に至るまでの経路における信号表示の確認
    いつも成功するわけではないそうです。
    経路上のコンビニ等の防犯カメラも確認するそうです。

    3.衝突の際の速度から、信号色が判明することもあるそうです。
    エアバックセンサーなどを解析して衝突時速度を割り出すこともあるそうです。

    4.同乗者がいる場合真実を語らせる
    検察、警察だからできる手法ですね

    城祐一郎著『実例交通捜査における現場の疑問』立花書房p124~130 

      • ホームズ事務所
      • 2017年 1月 07日

      有益な情報ありがとうございます。

      >1.事故直後の当事者双方の行動 赤信号の人は最初から自分の信号が青と強く主張しない。

      これはぼくも思い当たることです。本当に青で入った側は青であることを強く主張する。それ以外はありえないと。しかし、他方は強く主張しない。中には、お互い青々なのだから、痛みわけでもいいなどと、のらりくらりです。ウソを付いている奴の特徴ですね。こうなると、事故状況の確認調査というよりも、モラル調査に近くなることもあります。

      結局は、どれか1本で決めるのではなくて、あわせ技になります。間接事実をいくつもあつめて、このような事故の信号関係を決するしかありません。

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当事務所の立場

突然、交通事故にあわれた被害者は、怪我をされたり、車を破損などされたりして大変なことです。その損害の賠償をしてもらうために、これから、加害者そして加害者側の損保担当者を相手に示談交渉を進めなければならなくなります。しかし、交通事故は人生でそう何度も経験するわけではありません。なにをどのようにしたらいいのか途方に暮れてしまうのがふつうです。

ところが、事故被害者がまず相手にするのが加害者であり、そして、実際は加害者側損保の担当者です。損保の担当者はそのことで生計を立てているいわばプロであり、百戦錬磨で鍛えた知識と経験があります。かたや、知識も経験もほとんどない事故被害者。そんな素人がプロ相手にどのように交渉していったらいいのでしょうか。

交通事故に詳しい弁護士が知人にいるような幸運な方は別にして、たいていの方は途方に暮れてしまうことでしょう。一昔前は、素人とプロの交渉ごとということにふつうはなって、プロの思い描くストーリーどおりに押し切られるのがふつうでした。しかし、ネットが発達した現在、示談交渉を進める上での情報がネットを検索すればあふれかえっています。が、その情報は正しいものもあれば正しくないものもある。玉石混淆です。それらの情報に接した事故被害者にとって、どの情報が正しくて信頼できるのかがまずわかりづらいし、自分だけでは手に負えなくて、調査や交渉ごとをだれかに任せることも時に必要になってきます。が、ネット上には、われこそは事故被害者のためだと謳っているものばかりなので、実際にいったいだれを信頼したらいいのかわかりません。

知識とは中立なものであること

ここで注意してほしいのは、情報の正確さもさることながら、その情報(知識)そのものが中立なことです。

昔、東大卒が多い自民党が間違えるはずがないと豪語している自民党支持者に会ったことがあります。ぼくは苦笑するしかありませんでした。たしかに東大卒は勉強をいっぱいしているわけだから、その知識量も多くかつ正確だといえるかもしれません。ただ、知識それ自体はあくまで中立なものであり、どちらにも役に立つ武器なのです。したがって、その正確でたくさんの知識をどちらの側に使うかにある。わかりやすいたとえ話をしてみましょう。

知識は刀という武器と同じ

hitininnno
その昔、武士という職業が存在しました。この武士は帯刀を許された職業のことであり、刀の専門家です。殿様を頂点にして、殿様に雇用され、殿様を守るために武器である刀の技術を日夜みがいていた。

この武器である刀自体は殿様を守るためにも使えるし、農民に加勢して殿様に刃向かうためにも使えます。しかし、悲しいかな、現実は殿様を守るために使われた例が圧倒的に多く、農民に加勢するために使われた例など不幸にしてきわめて少なかった。ごく稀に後者のような武士が現れますが、こういう武士こそ庶民にとっての英雄であり、「七人の侍」はまさにそのようなタイプの武士たちでした。

利益が一致しているか相反しているかが重要

したがって、問題はその使い手自身にあります。使い手がどちらの側に立つかで知識もそれぞれの側の武器になる。そして、その使い手がどちらの側に立つかは双方の利益が一致するか相反するかでふつうは決まってきます。

この、肝心要のことを説明したサイトが皆無といっていいほどにみあたらないのは不思議なことです(というか、あえて否定しているサイトさえいくらでもみつかるくらいです)。

記事を読んでいただければたちどころにわかることですが、当事務所は「立場」を鮮明にしております。あえて鮮明にしているのは、人間や社会に対する見方は、その人自身の立場から自由にはならないからです。中立を装うことは考察を浅くし、論旨を不明確にする。「立場」のない「立場」などありようがない。当事務所の立場は、ぼく自身が社会的弱者であるため、弱者の立場に徹することです。ぼくのような弱虫は「七人の侍」のようには決してなれないけれど、せめてその心意気だけでも真似して、社会的強者に阿らないようにしたい。そういう気持ちで当サイトをたちあげました。よろしくです。

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