緊急自動車との事故の過失割合

赤進入した消防車と衝突すると、青進入でも過失が8割

<事故>消防車と衝突、軽乗用車側が1300万円支払い
8/24(木) 10:03配信 毎日新聞三重県四日市市内の県道交差点で緊急出動中の消防車と軽乗用車が衝突する事故が1年前にあり、双方の負担額を相殺した結果、軽乗用車側が四日市市に約1300万円を払う形で和解することが23日分かった。市が8月定例会の議案説明で明らかにした。

判例などから、過失割合は軽乗用車側8割、消防車側2割と算定された。消防車(購入時約4300万円)の修理費が約1600万円に及んだため、軽乗用車側の負担額が大幅に膨らんだ。双方とも保険で処理したという。

市などによると、事故は昨年8月7日正午ごろに発生。消火活動のために出動した消防車がサイレンを鳴らしながら赤信号の交差点に入ったところ、左から来た軽乗用車と出合い頭にぶつかった。軽乗用車の運転手は軽傷を負ったという。【松本宣良】

 

判例タイムズの過失相殺率基準本では

この記事で、「過失割合は軽乗用車側8割、消防車側2割と算定された」となっている。過失割合算定の基準本である判例タイムズの過失相殺率基準本ではどうなっているのだろうか。

この本で取り上げられているのは、「信号機により交通整理の行われている交差点における出合頭事故で、緊急自動車が赤進入した場合の衝突事故」と「非優先道路から優先道路へ進入した緊急自動車の衝突事故」のふたつである。

【表158】

基本車80:消防車20
修正要素見通しがきく交差点+10
消防車徐行+10
消防車の明らかな先入+20
車の先行車停止+20
車のその他の著しい過失+10
車の重過失+20
夜間
車側幹線道路-10
消防車の著しい過失・重過失-10~-20

【表159】

基本車80:消防車20
修正要素見通しがきく交差点+10
消防車徐行+10
消防車の明らかな先入+20
車の先行車停止+20
車のその他の著しい過失+10
車の重過失+20
夜間
車側幹線道路
消防車の著しい過失・重過失-10~-20

緊急自動車とは

すぐに思い浮かべることができるのがこの3つ。消防車とパトカーと救急車である。

ほかにもまだある。

1 赤十字の血液輸送車

2 病院のドクターカー

3 JAFのレッカー車

4 ドコモの移動電源車

5 東京ガスの緊急車両

6 交通事故調査分析センターの調査車

もっと特殊の車両としては自衛隊のがある。

7 自衛隊の救急車両

8 化学特殊車両

パトカーや消防車、救急車などは常に「緊急自動車」になるわけでなく、「緊急自動車」といえるための要件がある。「サイレンを鳴らし、かつ、赤色の警光灯をつけなければならない」(道路交通法施行令14条)ことである。この2つがセットになっている。

上で紹介した画像はいずれも赤警光灯である。したがって、下の2つの画像にあるような、同じセコムの車両である青警光灯のパトロールカーは緊急自動車ではないが、血液輸送車は、サイレンを鳴らし、かつ、赤色の警光灯を点灯させれば緊急自動車になる。

自衛隊関連の事故の特殊性について

ちょっと脱線するが、自衛隊の車両が出てきたのでついでに指摘しておきたい。自衛隊車両は自賠責に加入していない。それでどうなるかである。

〈自衛隊車事故〉被害賠償低レベル 自賠責並み 毎日新聞2009年11月30日

自衛隊や在日米軍の車両が公務中に起こした事故の損害賠償に関し、防衛省は25日付で、被害者に賠償する際の基準「防衛省の損害賠償に関する訓令」を全面開示した。情報公開請求した中村晋輔弁護士によると、慰謝料などの基準は自賠責保険とほぼ同額で、民間人同士の事故での賠償額に比べ大幅に低い実態が分かった。

自衛隊や米軍の車両は武器とされている。自動車損害賠償保障法施行令の定めで自賠責には加入しておらず、防衛省が訓令に基づいて算出した賠償金を被害者に提示。中村弁護士によると、そのままの和解が成立する場合が大半という。

開示された資料によると賠償額の基準は▽被害者が死亡した場合の本人や遺族への慰謝料は、最も高いケースで1300万円▽後遺症への慰謝料は同1800万円。一方、交通事故の賠償金に関する判例をまとめた日弁連作成の資料「民事交通事故訴訟・損害賠償請求算定基準」によると被害者の死亡慰謝料、後遺症への慰謝料ともに最高2800万円で、防衛省の賠償金額の基準を大幅に上回っている。この基準は民間人同士の示談でも使用されているという。

中村弁護士は「基準が明らかになったことで被害者に対する判断材料や交渉の余地が生まれる。不服がある場合は積極的に弁護士に相談して。」と話す。防衛省は「訓令に明記された損害賠償は同保障法の基準を準用している。慰謝料や療養、休業賠償などの総額には上限を設けておらず、相当額が適切に支払われている。」と説明している。

ネットでみると、某NPO法人代表者は「自賠責保険+任意保険並みの対応がなされますから、なにも心配することはありません」などと、yahooの掲示板で回答していたけれど、違うんじゃないのか。さらに検索してみると、自衛隊車両の歩行者死亡事案(6歳の女の子)にたいして、350万円の示談提示しかしてこなかったという記事もある。

詳しくは「防衛省の損害賠償に関する訓令」で確認してください。

ぼくも何度か自衛隊関連の事故を担当したことがある。自衛隊関連とは、自衛隊車両が一般道で起こした事故とか、公務中の事故とか、基地内の事故とかを想定するのがふつうだが、ぼくが担当したもののなかには、自衛隊員が一般道で自分のバイクで人身事故を起こしたケースで、公務外の事故だった。にもかかわらず、警察が担当でなくて、自衛隊内の担当官に事情を確認したことがあるのだ。若くて親切な担当官だったけれど、なぜ、警察でなくて自衛隊なのか。そのときもその理由がわからなかったが、いまもわかっていない。そのようなこともあって、表題を特殊としたゆえんである。

消防車の過失が2割って、どういうことなの

緊急自動車が赤信号を無視したり、非優先道路から優先道路へ進入し車とぶつかっても、基本の過失割合は20%。これはどうしてだろうか。

すなわち、緊急自動車、たとえば救急車なら病人を病院に運ぶという、人の生命にかかわる緊急性があるからであり、たとえば消防車なら火事の現場に一刻も早く到着しなければならない緊急性があるからである。そのためには信号が赤だからといって青になるまで待っていたのでは所期の目的を十分に果たせないだろうし、緊急自動車以外の車は、緊急自動車が近づいてきたなら、一時停止するなりして緊急自動車を優先させ、その運行の妨げになるようなことをしてはならないだろう。

先の本ではここのところを以下のように説明されている(P303)。

緊急自動車は、法令の規定により停止しなければならない場合においても停止する義務を負わず、対面信号が赤信号の場合でも、停止線の手前で停止する義務を負わない(法39条2項前段)。これに対し、他の一般車両は、緊急自動車が接近したときは、交差点を避け、かつ、道路の左側に寄って一時停止しなければならない(法40条1項)。

したがって、四輪車と緊急自動車とが交差点内で衝突した場合は、四輪車の対面信号が青信号であったとしても、四輪車の側に法40条1項に違反した過失があり、当該過失が事故発生の根本的な原因であることになる。

もっとも、緊急自動車は、赤信号で交差点に進入する場合、他の交通に注意して徐行する義務を負う(法39条2項後段)。本基準の基本の過失相殺率は、緊急自動車の側にも上記の義務に違反した過失があることを前提とし(ただし、個別的な事情により緊急自動車の側の過失が否定されるべき場合があることはいうまでもない。)、その他の事情は、過失相殺率の判断において重要と考えられるものを修正要素として考慮することとしている。

緊急自動車に関する判例紹介

消防車

名古屋地裁 平成10年3月20日判決
T字路交差点を右折しようとした加害普通貨物車が右後方対向車線をサイレンを鳴らし高速接近する被害緊急車両(消防車)に気づき急停車したところ、加害車に未接触で被害車が右前方のブロック塀に衝突全損となった事案で、他車両等に対する「配慮を怠ったまま、漫然と高速度での走行を続けたため」の自損事故であると、加害車の免責が認められた。

 

神戸地裁 平成11年9月22日判決(控訴)
深夜の高速道路トンネル内で、停車した被害乗用車に加害普通貨物車が追突し、被害車がクリープ状態で1・4㌔㍍進み救援消防車に衝突停車した事案で、被害車運転者は酒酔いでアクセルも踏めず停車した過失は極めて大きいと6割過失が認定された。

パトカー

最高裁 昭和61年2月27日判決
パトカーが速度違反車を追跡中、信号のある交差点にさしかかった際、青信号で進行した被害車と違反車が衝突した事案で、パトカーによる高速度でしかも違反車との至近距離での追跡は、その行為をもって、第三者への注意義務違反であるとはいえないと判断し、原審を破棄した事例。なお、原審は、

1 パトカー乗務の警察官としては、交通法規違反者の追跡に当たっては、追跡行為により被追跡車両が暴走するなどして交通事故をひき起こす具体的危険があり、かつ、これを予見できる場合には、追跡行為を中止するなどして交通事故を未然に防止すべき注意義務があるところ、

2 本件においては、加害車両の運転速度や逃走態様、道路交通状況に照らすと、本件パトカーが追跡を続行したならば、加害車両の暴走により通過する道路付近の一般人の生命、身体等に重大な損害を生ぜしめる具体的危険が存し、また、A巡査らも右危険を予見できたものというべきであり、しかも、追跡を続行しなくても交通検問その他の捜査によりこれを検挙することも十分可能であったから、A巡査らとしては、追跡を中止するなどの措置をとって第三者の損害の発生を防止すべき注意義務があったのに、これを怠り、高速度かつ至近距離で追跡を続行するという過失を犯したものであり、

3 右追跡行為は、第三者の生命、身体に対し危害を加える可能性が高く、他の取締方法が考えられるから、被上告人らに負わせた傷害の重大性に鑑み、被上告人らに対する関係では違法性を阻却されないと判断して、被上告人らの各請求の一部を認容した。

 

東京地裁 昭和61年7月22日判決
速度超過で逃走する違反者を白バイで追跡中、違反者が被害自転車と衝突し被害者が死亡したため、追跡中にサイレン及びマイクで危険を喚起される行為を怠った白バイに対し被害者遺族が国家賠償法に基づき損害賠償を請求した事案で、右追跡時にサイレン及びマイクを使用しなくても不相当な追跡行為には当らないと右請求を棄却した事例。

 

札幌地裁 昭和62年3月16日判決
サイレンを吹鳴して走行中のパトカーが、対向車線を50㌢㍍はみ出して走行した際、対向車線を走行してきた被害車両と正面衝突し運転手が死亡した事案で、被害運転手は当時酒に酔って正常な運転ができない状態であり、かつ緊急車両を確認したなら、道路左端によって譲らなければならない義務を怠ったことから、右パトカーに自賠法3条但書免責を認めた事例。

救急車

札幌地裁 昭和63年9月16日判決
急患移送中のためサイレンを鳴らし赤色灯を回転させながら信号のある交差点を進入した緊急自動車(救急車)と、青信号で右方向から進入してきた乗用車とが衝突した事故につき、交差点又はその付近において、緊急自動車が接近してきたときは、車両は交差点を避け、かつ、道路の左側に寄って一時停止しなければならない旨の規定をもとに、緊急自動車の運転者の過失を否定した事例。

緊急自動車に関する法令

道交法

第39条(緊急自動車の通行区分等)
緊急自動車(消防用自動車、救急用自動車その他の政令で定める自動車で、当該緊急用務のため、政令で定めるところにより、運転中のものをいう。以下同じ。)は、第17条第5項に規定する場合のほか、追越しをするためその他やむを得ない必要があるときは、同条第四項の規定にかかわらず、道路の右側部分にその全部又は一部をはみ出して通行することができる。

2 緊急自動車は、法令の規定により停止しなければならない場合においても、停止することを要しない。この場合においては、他の交通に注意して徐行しなければならない。

第40条(緊急自動車の優先)
交差点又はその附近において、緊急自動車が接近してきたときは、路面電車は交差点を避けて、車両(緊急自動車を除く。以下この条において同じ。)は交差点を避け、かつ、道路の左側(一方通行となつている道路においてその左側に寄ることが緊急自動車の通行を妨げることとなる場合にあつては、道路の右側。次項において同じ。)に寄つて一時停止しなければならない。

2 前項以外の場所において、緊急自動車が接近してきたときは、車両は、道路の左側に寄つて、これに進路を譲らなければならない。

道路交通法施行令

第13条(緊急自動車)
法第39条第1項の政令で定める自動車は、次に掲げる自動車で、その自動車を使用する者の申請に基づき公安委員会が指定したもの(第1号又は第1号の2に掲げる自動車についてはその自動車を使用する者が公安委員会に届け出たもの)とする。

1.消防機関その他の者が消防のための出動に使用する消防用自動車のうち、消防のために必要な特別の構造又は装置を有するもの

1の2.国、都道府県、市町村、関西国際空港株式会社、成田国際空港株式会社又は医療機関が傷病者の緊急搬送のために使用する救急用自動車のうち、傷病者の緊急搬送のために必要な特別の構造又は装置を有するもの

1の3.消防機関が消防のための出動に使用する消防用自動車(第1号に掲げるものを除く。)

1の4.都道府県又は市町村が傷病者の応急手当(当該傷病者が緊急搬送により医師の管理下に置かれるまでの間緊急やむを得ないものとして行われるものに限る。)のための出動に使用する大型自動二輪車又は普通自動二輪車

1の5.警察用自動車(警察庁又は都道府県警察において使用する自動車をいう。以下同じ。)のうち、犯罪の捜査、交通の取締りその他の警察の責務の遂行のため使用するもの

2.自衛隊用自動車(自衛隊において使用する自動車をいう。以下同じ。)のうち、部内の秩序維持又は自衛隊の行動若しくは自衛隊の部隊の運用のため使用するもの

3.検察庁において使用する自動車のうち、犯罪の捜査のため使用するもの

4.刑務所その他の矯正施設において使用する自動車のうち、逃走者の逮捕若しくは連戻し又は被収容者の警備のため使用するもの

5.入国者収容所又は地方入国管理局において使用する自動車のうち、容疑者の収容又は被収容者の警備のため使用するもの

6.電気事業、ガス事業その他の公益事業において、危険防止のための応急作業に使用する自動車

7.水防機関が水防のための出動に使用する自動車

8.輸血に用いる血液製剤を販売する者が輸血に用いる血液製剤の応急運搬のため使用する自動車

8の2.医療機関が臓器の移植に関する法律(平成9年法律第104号)の規定により死体(脳死した者の身体を含む。)から摘出された臓器、同法の規定により臓器の摘出をしようとする医師又はその摘出に必要な器材の応急運搬のため使用する自動車

9.道路の管理者が使用する自動車のうち、道路における危険を防止するため必要がある場合において、道路の通行を禁止し、若しくは制限するための応急措置又は障害物を排除するための応急作業に使用するもの

10.総合通信局又は沖縄総合通信事務所において使用する自動車のうち、不法に開設された無線局(電波法(昭和25年法律第131号)第108条の2第1項に規定する無線設備による無線通信を妨害する電波を発射しているものに限る。)の探査のための出動に使用するもの

11.交通事故調査分析センターにおいて使用する自動車のうち、事故例調査(交通事故があつた場合に直ちに現場において行う必要のあるものに限る。)のための出動に使用するもの

2 前項に規定するもののほか、緊急自動車である警察用自動車に誘導されている自動車又は緊急自動車である自衛隊用自動車に誘導されている自衛隊用自動車は、それぞれ法第39条第1項の政令で定める自動車とする。

第14条(緊急自動車の要件)
前条第1項に規定する自動車は、緊急の用務のため運転するときは、道路運送車両法第3章及びこれに基づく命令の規定(道路運送車両法の規定が適用されない自衛隊用自動車については、自衛隊法第114条第2項の規定による防衛大臣の定め。以下「車両の保安基準に関する規定」という。)により設けられるサイレンを鳴らし、かつ、赤色の警光灯をつけなければならない。ただし、警察用自動車が法第22条の規定に違反する車両又は路面電車(以下「車両等」という。)を取り締まる場合において、特に必要があると認めるときは、サイレンを鳴らすことを要しない。

第39条(緊急自動車の通行区分等)
緊急自動車(消防用自動車、救急用自動車その他の政令で定める自動車で、当該緊急用務のため、政令で定めるところにより、運転中のものをいう。以下同じ。)は、第17条第5項に規定する場合のほか、追越しをするためその他やむを得ない必要があるときは、同条第4項の規定にかかわらず、道路の右側部分にその全部又は一部をはみ出して通行することができる。

2 緊急自動車は、法令の規定により停止しなければならない場合においても、停止することを要しない。この場合においては、他の交通に注意して徐行しなければならない。

第40条(緊急自動車の優先)
交差点又はその附近において、緊急自動車が接近してきたときは、路面電車は交差点を避けて、車両(緊急自動車を除く。以下この条において同じ。)は交差点を避け、かつ、道路の左側(一方通行となっている道路においてその左側に寄ることが緊急自動車の通行を妨げることとなる場合にあっては、道路の右側。次項において同じ。)に寄って一時停止しなければならない。

2 前項以外の場所において、緊急自動車が接近してきたときは、車両は、道路の左側に寄って、これに進路を譲らなければならない。

第41条(緊急自動車等の特例)
緊急自動車については、第8条第1項、第17条第6項、第18条、第20条第1項及び第2項、第20条の2、第25条第1項及び第2項、第25条の2第2項、第26条の2第3項、第29条、第30条、第34条第1項、第2項及び第4項、第35条第1項並びに第38条第1項前段及び第3項の規定は、適用しない。

2 前項に規定するもののほか、第22条の規定に違反する車両等を取り締まる場合における緊急自動車については、同条の規定は、適用しない。

3 もっぱら交通の取締りに従事する自動車で内閣府令で定めるものについては、第18条第1項、第20条第1項及び第2項、第20条の2並びに第25条の2第1項の規定は、適用しない。

4 政令で定めるところにより道路の維持、修繕等のための作業に従事している場合における道路維持作業用自動車(専ら道路の維持、修繕等のために使用する自動車で政令で定めるものをいう。以下第75条の9において同じ。)については、第17条第4項及び第6項、第18条第1項、第20条第1項及び第2項、第20条の2、第23条並びに第25条の2第2項の規定は、適用しない。

第41条の2(消防用車両の優先等)
交差点又はその付近において、消防用車両(消防用自動車以外の消防の用に供する車両で、消防用務のため、政令で定めるところにより、運転中のものをいう。以下この条において同じ。)が接近してきたときは、車両等(車両にあっては、緊急自動車及び消防用車両を除く。)は、交差点を避けて一時停止しなければならない。

2 前項以外の場所において、消防用車両が接近してきたときは、車両(緊急自動車及び消防用車両を除く。)は、当該消防用車両の通行を妨げてはならない。

3 第39条の規定は、消防用車両について準用する。

4 消防用車両については、第8条第1項、第17条第6項、第18条、第20条第1項及び第2項、第25条第1項及び第2項、第25条の2第2項、第26条の2第3項、第29条、第30条、第34条第1項から第5項まで、第35条第1項、第38条第1項前段及び第3項、第40条第1項、第63条の6並びに第63条の7の規定は、適用しない。
(罰則 第1項及び第2項については第120条第1項第2号)

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事務所所在地・連絡先

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石川県加賀市
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電話・メールをされる前に、「お問い合わせ」欄を読んでくださいね。なお、メールについてはお返事に時間を要することもあるし、内容によっては、たとえば記事に書いてあることの再確認とか、あまり深刻とは思えないものについてはお返事しないこともありえます。電話ならその点確実です。

当事務所の立場

突然、交通事故にあわれた被害者は、怪我をされたり、車を破損などされたりして大変なことです。その損害の賠償をしてもらうために、これから、加害者そして加害者側の損保担当者を相手に示談交渉を進めなければならなくなります。しかし、交通事故は人生でそう何度も経験するわけではありません。なにをどのようにしたらいいのか途方に暮れてしまうのがふつうです。

ところが、事故被害者がまず相手にするのが加害者であり、そして、実際は加害者側損保の担当者です。損保の担当者はそのことで生計を立てているいわばプロであり、百戦錬磨で鍛えた知識と経験があります。かたや、知識も経験もほとんどない事故被害者。そんな素人がプロ相手にどのように交渉していったらいいのでしょうか。

交通事故に詳しい弁護士が知人にいるような幸運な方は別にして、たいていの方は途方に暮れてしまうことでしょう。一昔前は、素人とプロの交渉ごとということにふつうはなって、プロの思い描くストーリーどおりに押し切られるのがふつうでした。しかし、ネットが発達した現在、示談交渉を進める上での情報がネットを検索すればあふれかえっています。が、その情報は正しいものもあれば正しくないものもある。玉石混淆です。それらの情報に接した事故被害者にとって、どの情報が正しくて信頼できるのかがまずわかりづらいし、自分だけでは手に負えなくて、調査や交渉ごとをだれかに任せることも時に必要になってきます。が、ネット上には、われこそは事故被害者のためだと謳っているものばかりなので、実際にいったいだれを信頼したらいいのかわかりません。

知識とは中立なものであること

ここで注意してほしいのは、情報の正確さもさることながら、その情報(知識)そのものが中立なことです。

昔、東大卒が多い自民党が間違えるはずがないと豪語している自民党支持者に会ったことがあります。ぼくは苦笑するしかありませんでした。たしかに東大卒は勉強をいっぱいしているわけだから、その知識量も多くかつ正確だといえるかもしれません。ただ、知識それ自体はあくまで中立なものであり、どちらにも役に立つ武器なのです。したがって、その正確でたくさんの知識をどちらの側に使うかにある。わかりやすいたとえ話をしてみましょう。

知識は刀という武器と同じ


その昔、武士という職業が存在しました。この武士は帯刀を許された職業のことであり、刀の専門家です。殿様を頂点にして、殿様に雇用され、殿様を守るために武器である刀の技術を日夜みがいていた。

この武器である刀自体は殿様を守るためにも使えるし、農民に加勢して殿様に刃向かうためにも使えます。しかし、悲しいかな、現実は殿様を守るために使われた例が圧倒的に多く、農民に加勢するために使われた例など不幸にしてきわめて少なかった。ごく稀に後者のような武士が現れますが、こういう武士こそ庶民にとっての英雄であり、「七人の侍」はまさにそのようなタイプの武士たちでした。

利益が一致しているか相反しているかが重要

したがって、問題はその使い手自身にあります。使い手がどちらの側に立つかで知識もそれぞれの側の武器になる。そして、その使い手がどちらの側に立つかは双方の利益が一致するか相反するかでふつうは決まってきます。

この、肝心要のことを説明したサイトが皆無といっていいほどにみあたらないのは不思議なことです(というか、あえて否定しているサイトさえいくらでもみつかるくらいです)。

記事を読んでいただければたちどころにわかることですが、当事務所は「立場」を鮮明にしております。あえて鮮明にしているのは、人間や社会に対する見方は、その人自身の立場から自由にはならないからです。中立を装うことは考察を浅くし、論旨を不明確にし、自己を無責任な立場に置くことになる。「立場」のない「立場」などありようがない。当事務所の立場は、ぼく自身が社会的弱者であるため、弱者の立場に徹することです。ぼくのような弱虫は「七人の侍」のようには決してなれないけれど、せめてその心意気だけでも真似して、社会的強者に阿らないようにしたい。そういう気持ちで当サイトをたちあげました。丸山真男のことばを最後に引用しておきます。

丸山真男から

ゲーテは「行動者は常に非良心的である」といっておりますが、私たちが観照者、テオリア(見る)の立場に立つ限り、この言葉には永遠の真実があると思います。つまり完全にわかっていないものをわかったとして行動するという意味でも、また対立する立場の双方に得点と失点があるのに、決断として一方に与するという意味でも、非良心的です。にもかかわらず私たちが生きていく限りにおいて、日々無数の問題について現に決断を下しているし、また下さざるを得ない。純粋に観照者の立場、純粋にテオリアの立場に立てるものは神だけであります。その意味では神だけが完全に良心的であります。

私たちの社会というものは、私たちの無数の行動の網と申しますか、行動の組合せから成り立っております。社会がこうして私たちの行動関連から成り立つ限りにおいて、私たちは行動あるいは非行動を通じて他人に、つまり社会に責任を負っています。その意味では純粋に「見る」立場、ゲーテの言う意味での完全に良心な立場というものは、完全に無責任な立場ということになります。

したがってこの点でも神だけが、完全に無責任でありうるわけであります。認識することと決断することとの矛盾中に生きることが、私たち神でない人間の宿命であります。私たちが人間らしく生きることは、この宿命を積極的に引き受け、その結果に責任を取ることだと思います。この宿命を自覚する必要は行動関連が異常に複雑になった現代においていよいよ痛切になってきたのです。

世のなかには一方では、認識の過程の無限性に目をふさぎ、理論の仮説性を忘れる独断主義者もいれば、またそもそも認識の意味自体を頭から蔑視する肉体的行動主義者がいます。しかし他方その半面では、物事はそう簡単にはイエスかノーかきめられないのだ、もっとよく研究してからでなければなんともいえないという名目の下に、いつも決断を回避することが学者らしい態度だという考え方がかなり強い。

あるいは対立する政治的争点に対して、あれももっとも、これももっとも、逆にそれを裏返しとして、あれもいけない、これもいけないということで、結局具体的な争点に対して明瞭な方向性を打ち出すことを避ける態度をもって、良識的であるとか、不偏不党であるとか考える評論家やジャーナリストもかなりいるようであります。

たびたびゲーテの言葉を引いて恐縮ですが、ゲーテはこういうことをいっています。「自分は公正であることを約束できるけれども、不偏不党であるということは約束できない。」今申しましたような世上いわゆる良識者は対立者に対してフェアであるということを、どっちつかずということと混同しているのではないでしょうか。
「現代政治の思想と行動」丸山真男 P452-454

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