「第三者機関」としての損害保険調査会社

損保は、調査会社にとってもっとも大切なお客さんである

損害保険会社とは、保険調査会社とは

損害保険会社と損害保険調査会社をいっしょくたにして理解している人が意外と多い。しかし、これはまったくの別ものです。どこがどう別なのかというと、前者は保険を売って、事故があったりした場合に保険契約に基づき保険金や損害賠償金の支払いをする会社のことですが、後者はその支払いをする際に調査を要すると保険会社が判断したときに利用されるのが調査会社です。

調査会社にとって、保険会社はいちばん大切な顧客

両者は調査委託契約を介して取引関係が生じる。契約上(形式上)は対等の立場ということになっていますが、実際は前者が調査料を支払う顧客の立場だから、絶対的に優位な立場にあると考えたほうがいいです。

調査会社にとって、依頼主である損保は神様みたいなものですね。たとえて言えば、保険会社がくしゃみをすれば、調査会社は風邪をひくどころか、場合によっては肺炎を起こす。それほど一番大切な顧客なのです。

保険会社が白を黒といえば黒なのである。

したがって、保険会社が白を黒と言えば黒なのである。黒を白と言えば白なのである。重要なことなのでここはしっかり覚えておいてほしい。基本の認識としてこれで間違いありません。

ただし、保険会社も露骨に「おれはお客、おれの言う通りにしろ」などとは言いません。そんなのはわかり切っていることなので言うまでもないというのが本音なのですが、それを露骨に表す保険会社社員はほぼいません。

調査結果についてあるていど「尊重」するが…

したがって、調査結果についてはある程度尊重します。ただし、アイマイなところ、とりようによっては依頼主である保険会社に有利に解釈できるところは、その線で進むと思って間違いはないと思います。あるいは、調査会社のほうで「忖度」して「アイマイ」なところに解釈をいれて依頼先保険会社に有利な方向に結論を持っていくということがありえます。

もちろん、保険会社の社員(査定という)の中には「客観性」を重んじるタイプの人も中にいますので、公平に判断してくれるケースもないではありませんが、これは少数派だと思った方がいいです。

損害保険調査会社には損保系と社外系が存在する

損害保険調査会社は2大別できます。すなわち、損害保険会社系列の調査会社の場合と、保険会社の系列外の場合の2つです。それぞれどんな特徴があるのか、ネットで「保険調査会社」で検索してみました。

損保系調査会社とは

前者の損保系列調査会社は、損害保険会社との関係がわかりやすい(例:東京海上日動調査サービス、あいおいニッセイ同和損害調査、JA共済損害調査など)ため、損害保険会社の社外の調査会社と間違われることはまずありません。ネット検索すると、社外系よりも正社員の待遇面もいいし、社員数も多く、研修も比較的充実しています。

会社名が示すように、本体である損保・共済のための調査会社です。

社外系調査会社とは

他方、社外系は零細から大手まで幅があって、待遇面も正社員から嘱託(下請)まであり、身分が安定しているとは必ずしもいえません。とりわけ、大手の社外系では調査員が嘱託扱いです。そのため、社会保険も自己負担です。

社会保険もなく、報酬も20万円未満が大半なため、国民年金や国民健康保険を自弁したらアルバイト並みの報酬です。研修も充実しているとはとても言えず、嘱託ゆえに、研修費用を自己負担させられるなど、教育面でも問題がある。待遇が悪いため、人の出入りが多いのも社外系の特徴といえるでしょう。むしろ組織として小さい会社のほうが身分が保障されていることもあります。

こちらは損保・共済とは「独立」していることを「売り」にしています。いわゆる「第三者機関」です。

なお、保険調査会社といっても、中には技術アジャスターや鑑定人オンリーの会社もあります。ここではそれらを除外しています。

口コミ情報

口コミ情報は以下のとおりです。

(社外)パワハラ横行で、理由を言えば逆効果。二言目には、「うちで仕事をするのは難しい。」と言う、肩たたきが普通に行われており、完全にコンプライアンス違反を平然と言うので録音して労基に訴えた。

 

(損保系)事故報告の内容を書面確認して、調査方法(現車確認or写真査定)を選別。問題点を担当社員と打ち合わせ経過観察する。文系社員に対し、技術的問題点や矛盾を説明し有無責を説明。本体保険会社の営利関係で 政治的判断をされて調査が活かされない事も有り。正義を貫く事と会社員を続ける事のジレンマは ドラマ並み(笑)

 

(社外系)保険会社からの依頼なので、仕事は月によってバラバラで収入が安定しません。女性のパート以上の収入は確保できますが、報告書作成で朝から寝るまで報告書作成しな.・・・・此処の会社は、社員教育は皆無であり実働部隊である調査員に顧客からのクレームを押し付け、3ヶ月に渡り仕事を一切させずに退職に至らせる。

 

(社外系)・ほとんど支社長の裁量にかかっている。支社長がいい人であれば、良いキャリアアップや指導を受けられる。変な支社長(今はいるかわからないが)に当たれば、最悪で…・会社の採用は、中途の場合は、契約社員がほとんどのため、正社員になりたくて退職しました。・ 業務について興味を持ち、仕事をしていくのであればいいが、待遇を求めるのであればこの会社は向かない。そもそも保険会社の経費から調査料が支払われている業界で…・100人程度の社員数で、10人新卒をとる。それは毎年10人中9人くらい辞めて行くから。転職して思ったのは、そんなにきつい仕事ではないが、雰囲気は閉鎖的…

 

(社外)警察の交通課を退職した人がうようよいます。退職金で生活はできますが、それ以外にこの職種を生活基盤にするのは止めたほうがよいです。出勤義務はありませんが、月に2~3度は交通費が無しで出勤が必要です。個人事業主と聞けば、自由度があるように聞こえますが、コンビニでバイトしたほうが稼げます。

 

自動車関連の知識があるなら、保険会社系列の調査会社をおすすめします。確かに小さな保険調査会社であればハードルは低いかもしれませんが、まだ若いのだから調査員にはいつでもなれます。それより苦労してでも損害保険会社などの大きなところへ入ったほうが身のためです。ご忠告まで。

保険調査会社は第三者機関なのか

なぜこういうことを問題にしたのかというと、当の保険調査会社は、自分たちのことを第三者機関だと称しているし、調査を依頼する保険会社も、交通事故の過失割合などでもめた場合、事故当事者に対して、「では、第三者機関に調査してもらいましょう」というのが口癖になっているからです。

だから調査の結果は公平・公正なだと言いたいところなのでしょうが、このような実態で第三者性が本当に担保できるのでしょうか。

第三者性を担保するものは何か

第一に、依頼先である損保からの経済的・組織的独立性があるかどうかです。経済的独立性については、調査会社にとって損保は顧客の立場にあることはすでに述べたとおりです。

繰り返しますが、損保が白を黒と言えば黒なのである。そして、大手の調査会社は、損保系であれ社外系であれ、損保の天下り先になっています。組織的独立性でもまったくの失格ですね。

第二に、独立性を担保するだけの個々の調査員の地位や身分が保障されているかどうかです。地位や身分が保障されていれば、自分の所属先の調査会社の意に沿うような調査をする必要がないからです。が、地位・身分が不安定だと、雇用主の意向ばかり気にします。

欧米の保険調査員との比較

欧米の保険調査員は社会的地位も高く、自分の判断で個々の紛争を処理できる権限が与えられていると聞いたことがあります。日本はどうでしょうか。日本の損害保険会社の系列調査会社の場合は正社員であるためその地位や身分は比較的保障されているといえるかもしれません。が、会社の独立性という点では100%子会社なのだから第三者性はまったく問題にならないでしょう。個々の調査員も自分で紛争を解決する権限は与えられていません。

社外系については業務委託などというのが主流の現状からは、独立しているとはとうていいえません。個々の調査員は下請けに甘んじており、元受けたる調査会社が顧客という絶対的優位な立場にある。

個々の調査員は、調査会社の上司の顔色をうかがっている。そうしないと仕事をもらえないからです。そのため、個々の調査員においても、第三者性の要件である独立性にまったく欠けています。

専門性について

その職業に専門性があるかどうかは、地位・身分を推しはかる上での重要なメルクマールです。だれでもできる仕事だと代替性があるためその地位や身分が保障されないことは言うまでもありません。いやなら辞めろ。代わりはいくらでもいる。したがって、保険調査員という仕事に専門性があるかどうかは重要なのです。

損保系の調査会社の求人をみてみると、「大卒」「経験者」などあるていどの専門性を要求されていることがうかがえます。入社後の研修も比較的充実しているから、そのことも加えると専門性があるといえるかもしれません。

しかし、社外系の求人をみると、「要運転免許」「パソコンができること」くらいで「未経験者OK」です。入社後の研修体制も不十分です。

別の記事でも書いたことですが、伊豆の医療研修を例にすると、損保本体およびその系列の調査会社が研修に参加すると給料とは別に研修手当が支給されます。

ところが、社外系は、当初はわずかながら日当(1日1000円)が支給されていたのですが、それすらけっちって、その後日当は支給されなくなり、研修費用についても半分は自己負担になってしまいました。

研修期間中は仕事ができないから、その間は収入が途絶えます。この例にあるように、社外系はなにごとも自分の費用で自己啓発しなければ専門性の獲得が非常にむずかしいのです。

以上から、調査会社は、損保・共済系であれ社外系であれ、第三者機関だとはとてもいえません。

注意
では、弁護士はどうでしょうか。彼らは法律の専門家です。が、調査の専門家ではありません。ネット情報をみていると、そのあたりことが不問にされて、弁護士にまかせろという意見を当の弁護士が述べています。が、調査については、はっきり申して「シロウトに毛が生えた」程度だとおもっていただいて、そう間違いはないと思います。

現に、事故現場を訪問する弁護士がどれくらいいるでしょうか。過失割合が専門といっても現場を知らないのではお話しになりません。もちろん、何事にも例外はいます。

ネット上に氾濫する間違った情報について

以下に、調査会社に対するネット上の誤解・曲解の具体例をとりあげ、検討してみたい。

リサーチ会社に調査依頼する事があります。人身事故の場合は、かなりの確率で調査依頼しています。そこで出た調査結果には、保険会社はほぼ従います。

依頼は圧倒的に過失割合や物損関係が多い。また、調査結果について保険会社を拘束するなんてことはありえまぜん。

民間の調査会社は保険会社の子会社のような役割ではありません。複数社と契約関係にありますから、あくまで第三者として事故の精査をします。調査会社の仕事も信頼第一ですので、依頼保険会社の利益になるような仕事をすれば、当然、第三者との公平としての立場ではなくなり信用をなくすことになります。例えば、今回の調査で仮に相手側の有利に調査を進めたとします。すると、今度はご質問者側の保険会社がとの交渉のときに、相手側はその調査結果に基づいて交渉するわけで、その内容に偏りがあると、ご質問者側の保険会社はいい加減な調査をする会社だということで、その保険会社からの仕事がこなくなります。そういう背景から基本的なスタンスとしては、あくまで第三者機関として事故状況を精査するという位置づけで民間の調査会社は動いています。

損保が調査会社に依頼する種目で一番多いのがいわゆる過失割合事案(原因調査)と呼ばれるものです。たとえばその中のクルマ対歩行者の場合を例にしよう。

この場合は調査料はクルマ側の任意保険会社から出ており、被害者である歩行者が調査料を支払うわけでないことはいうまでもありません。したがって、このようなケースでは、調査会社が行う調査はあくまで保険会社のための調査であって、歩行者のための調査ではありえない。第三者性が成立する余地などまったくないですね。

では、クルマ対クルマの事故の場合だったらどうでしょうか。先のネット上の回答はクルマ対クルマの事故で双方が任意保険に加入している過失割合事案を想定した回答です。

2つに場合分けして考えてみよう。一つは双方の保険会社から調査依頼があった場合です。理屈の上では双方からの依頼であり、双方から折半という形で調査料がはいるため、第三者性が期待できる。

しかし、あくまで期待できるというだけで常に第三者の立場になれるとは限りません。なせか。要は一見客と常連客の違いと同じです。年に数回の依頼しかない損保とほぼ毎日依頼してくる損保とでは対応が違ってくるのはどこの業界でもあることです。調査の業界でもそれがないとは言えないのです。そういうことがあるかもしれないと、ちょっとは警戒したほうが賢明ですね。

すなわち、自分が加入しているところが小損保なら、調査会社が第三者として機能するかどうかちょっとは疑ったほうがいいということです。10とか20とかの修正要素の争いではなくて、とりわけ注意したいのは、どっちが青でどっちが赤なのか、過失割合が100対0か、0対100かで争っているばあいはきをつけたほうがよろしい。思わせぶりな言い方だが、後はご想像にまかせます。

もう一つが、片方の損保からの依頼の場合です。片方からしか調査料がはいらないのだから、先ほどの双方からの依頼よりは、依頼先である片方の意向が反映される可能性が高まります。あくまで「高まる」であって、依頼先有利に常になるということではありません。というのも、大手の調査会社の場合、今回はA損保の依頼だが、次回は相手損保の依頼ということがしょっちゅうありますから。したがって、当該事故案件だけみて、依頼先のA損保に有利に取り計らうってことにはなりません。

以上に書いたことは比較的大手の場合に言えることです。1人ないしは少人数でやっている調査会社の場合はどこかの損保査定者との個人的な付き合いから取引関係が生じている場合が多く、そのため特定の損保の依頼に偏っていることが多い。その損保との結びつきはさらに堅固なものになっています。第三者性が確保できるかどうかは損保査定の考え方しだいです。したがって、こういう調査会社では第三者性は期待しにくいでしょう。

調査会社は顧客である損保のために報告書を偽造する。

ネットをみていると、こんなすごい意見があったので驚く。たとえば、メジャーの当て方、写真撮影の角度により、(地上からの破損部位の高さ)を思い通りの高さに偽造している

メジャーやデジカメを使って事実を偽装し、その結果、事故との因果関係を否定するような偽造・捏造調査が行われているとのことなのですが、私の少ない経験からはそのような事実は一切ありませんでした。

私のいた調査会社はその点ではまともだったので、そんなことはやっていなかったが、調査会社はいっぱいあるのだから、そのような偽造・捏造をする調査会社が絶対ないとは断言できません。が、そこまでやるかなあ。いくらなんでも、そこまではふつうやらんと思うよ。ばれた場合のデメリットとばれなかった場合のメリットを考えても、そこまでリスクを犯すでしょうか。少なくとも、私の周辺ではそのようなことは一度たりともありませんでした。

(18・10・16追記)

私の考えが甘かったのかもしれない。後日知ったことだが、「事故再現ソフトを出鱈目操作」という記事(柳原三佳)を読んだからである。こちらである。

 

調査会社が被害者・加害者双方の損保から共同で調査依頼を受けたケースについて、利益相反関係にある当事者双方からの代理は双方代理にあたるから違法だとの指摘もある。こんな違法なことをやっていて公正な調査などできるはずがないのだという。

ここでいう代理行為は法律行為の代理行為です。調査すること自体は法律行為ではない(事実行為である)ので、双方代理にあたるという批判はあたらないのでないでしょうか。ただ、調査の結果、過失割合まで調査会社が決めたのだったら、この批判はもっともです。

実態としては、調査会社が参考意見としての過失割合を出しています。これは調査会社が積極的に出しているのではなくて、保険会社からの要請によるものです。

事故当事者に対して、第三者機関が出した過失割合なのでと、示談交渉を首尾よく行うために使いたいからです。しかし、調査会社が出した過失割合案に損保が拘束されるわけではもちろんありません。あくまで参考意見です。したがって、過失割合案に納得がいかなければ蹴ることも修正させることも可能です。

また、損保査定によっては、事故当事者双方の共同依頼であること、調査会社が調査にはいることの了承を得た上で調査を実施しているばあいもあります。これだと、双方代理云々の「批判」はまったく問題にならないでしょう。

調査を行うのは、損害保険協会の実施する試験に合格した人で、必要に応じて建築士、土木建築施工管理技士、電気主任技術者、建築整備士などが鑑定します。

保険調査員になるのに、「損害保険協会の実施する試験に合格」する必要などまったくありません。鑑定人あるいは技術アジャスターなどと混同していますね。鑑定人は損害額がどれくらいになるのかを算定するのが仕事ですが、保険調査員は、算定はせず、事故の原因を調査するのが仕事です。だから、鑑定人と保険調査員とはまったく別ものです。

私自身何度か鑑定人といっしょに仕事をしたことが何度かあります。火災調査とか会社の施設の破損調査において。私は火災や施設破損の原因や約款上の免責事項の有無を調査し、鑑定人は損害額を調査するという違いあります。

このサイトは、同じ記事で「あまりソンポリについて書かれたまともな記事がありませんが、悪い印象を持った人が記事にすることが多く、実態はつかめません。」などと書いていたり、調査会社を「公正・中立な立場で事故を調査する」と検証もせずに決め付けています。保険調査員と会ったこともないと自分で告白しているのに、「まとも」かどうかどうやって判断できたのでしょう。

ほかにも、このサイトと内容が似たような、鑑定人と保険調査員の区別ができていなサイトがあります。保険代理店のサイトです。

MEMO
ここで、保険代理店と保険会社の関係についても述べておこう。保険代理店は保険会社と業務委託契約を交わして、保険の代理販売を行っている。そして、保険契約成立ごとに手数料を保険会社からいただいている。ここでも、保険会社と保険調査会社、あるいは保険調査会社と個々の調査員と似通った関係が成立している。すなわち、保険会社は優位な立場にあること、「利益協同関係」の一面があることだ。yahooなどの大手掲示板をみると、保険代理店が保険会社有利な回答ばかりしているのはこのためだろう(結果的に有利であってもかまわないが、事実を捻じ曲げた回答はダメだろう)。もちろん、尊敬すべき例外はいるが、ごく少数である。

結論

調査会社が第三者機関であることはありえない。ただ、唯一の例外は、事故当事者双方に任意保険会社が介在しているクルマ対クルマのような過失割合事案については、大手の調査会社の場合、各損保との取引量が多いため、ある特定の社に有利な扱いはしづらい。結果として第三者的な立ち位置になるということはあるかと思います。その意味で、過失割合事案については第三者性が期待しやすい。小さな調査会社はその点で問題があるように思います。

クルマ対クルマのような過失割合事案以外のもの、すなわち、クルマ対人などのばあいは、バックで保険会社が拮抗する関係がそもそも成立しないのだから、調査はあくまで保険会社のための調査であって、保険契約者のためでもないし、事故被害者のためではもちろんありません。

調査員のことについて一言したい。個々の調査員は保険会社の意向を意識して調査することは少ないと思います。依頼先の保険会社が得をするかソンをするかを考えながら調査をしている調査員がいないとは言いませんが、いてもたぶんごく少数です。そんなことまでいちいち意識しないで調査を行っています。ただし、個々の調査員レベルはそうであっても、調査員の書いた報告書が素通りで保険会社に行くのではありません。その中間に、調査会社の上司の審査が加わります。そこでどのような「修正」が加わるのかです。

もうひとつ。調査員の調査能力について。これはたとえ小さな調査会社だからといってダメとはまったくいえません。身分保障の点を考えると、むしろ小さな会社の方が恵まれているばあいがあるからです。

それにくらべ、大手の調査会社が第三者であることを期待できるばあいであっても、調査員が下請の低賃金なため、優秀な人材が集まりにくいだろうし、定着もしづらいという現実があります。低収入でも調査が好きで知識欲も旺盛という例外的な調査員を別にして、知識習得にまわす金銭的余裕も生まれないため、調査会社に長く勤めていても、調査員として有能とはかぎりません。したがって、調査会社が大手か零細かは能力の点では指標にならないと思います。

以上、私の調査会社にいたときの経験に基づいて書きました。狭い限られた経験を一般化するつもりはまったくないし、偏見もあります。もし、おかしいよとか、間違っているよというのであれば喜んで修正に応じたい。なお、個別に、どこの調査会社がどうだというような評価を私は一切していないつもりです。そこは誤解のないようお願いしたい。

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