自賠責実務は認定の条件として可視化できるかどうかがある。できない場合は症状の推移、治療内容等から推測するという方法をとるが、後者の認定は厳しい
①交通事故でケガをする。治療する。治癒したが、それでも症状が残存する。その中に後遺障害と呼ばれるものもある。その認定は医者がするのではなく、実務的には自賠責調査事務所がやり、解決しなければ最終的には裁判所がする。後遺障害は法律上の判断だからであり、医学上の判断ではないからだ。
— ホームズ事務所 (@9qAjddBmc9FsCu9) October 4, 2019
③傷病名はCRPS。骨折や神経損傷の後に、原因となる外傷に比べて不釣り合いなほどの焼け付くような痛みが遷延する症候群のこと。あれか。ぼくも患者と何度か面談したことがある。ここが痛くて寝れないとか、長期入院していたりとか。痛いとかいわれても、その程度は本人にしかわからない。
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⑤その痛みのため2年ほど入、通院を繰り返しているという相談者に向かって、あんた、詐病を疑われたのかもしれんよとは言えなかった。CRPSと認定されると最高後遺障害7級まであり、保険金がボーンと跳ね上がる。とはいえ、2年間も灼熱の痛みを装うなんてできるのだろうか。
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自賠責は損害賠償を目的とした法的判断だと言われ、医学上の判断とは必ずしも一致しないと言われているのだが、その違いをはっきりさせたのがCRPSに対する判断。自賠責は早期の解決を目指すものであり、定型的判断にならざるをえないとは言われるが、それにしてもこの例はちょっとひどくはないかと思っていたしだい。そう思っている人は私だけでなくて、裁判官の中にもいらした。下記ツイートで紹介した裁判例がそれである。素晴らしい判決だと思う。
自賠責で診療ガイドラインにない骨委縮が判然としない等として12級3号どまりにされたCRPS。他は診断基準を満たしていることは否定できないとして、10級相当とした裁判例(神戸地裁H22・12・7)。ガイドラインに載ってもいない要件を勝手に付け加え後遺障害評価が低かった。https://t.co/SWvur5urIf
— ホームズ事務所 (@9qAjddBmc9FsCu9) November 18, 2019