車の写真寄こしてきた人がいて、この傷は停止中なのかどうか判定してくれって。そういう調査は過去に何度もやったし、自研センターの研修でも教わったが、問題はぼくの判断に「権威」がないことなんだよね。結局は権威者に鑑定してもらうなど「権威」の裏付けが必要になる。ぼくの判断は素人判断。
— ホームズ事務所 (@9qAjddBmc9FsCu9) September 6, 2019
以前はそういう業務をやっていたものの、元調査員というのは、組織の後ろ盾を失った者だということ。
裁判官も交通事故鑑定については私よりもずぶの素人。甲と乙で意見が相違した場合、結局はどっちを信用するかというと、権威のあるほうになる(なりがち)。
この写真みてもわかるでしょう。権威でゴテゴテ着飾り、カツラまでしている。権威大好きなんですよ。裁判官って。
実際は権威のないほうが正しかったとしてもだ。だから、私に相談するのは参考意見としてはいいとしても、調査依頼するのは間違っているということです。そう言っちゃうと私の出番がまったくなくなってしまうので、以下のツイート。
保険調査の最終目的は裁判に勝つための情報収集である。勝つためにどうすればいいか。「権威」による箔付けが必要だ。このケースでは、鑑定人が著名人ならいいが、バックの組織もなく、著名でもない場合は、「虎の威を借りる」。たとえば自研センターから下記の本が出ている。こういうのを利用する。 pic.twitter.com/htoLggtDyL
— ホームズ事務所 (@9qAjddBmc9FsCu9) September 9, 2019
誤解されると困るので一言。この本で紹介されているのは交通事故の中のごく一部であることは当然として、加えていわゆる一次衝突事故に限定される。事故は千差万別なのだから、この本の情報だけで裁判に勝てるかと言ったら、今説明したような事情があるため、それは期待しないほうがいい。あくまで参考に資するというレベルの話である。
もっと肝心なことを書き忘れていた。民間の鑑定を裁判所が採用するかという問題。採用されないことの方が多いと聞いている。ということは、せっかく鑑定人に頼んで、すばらしい鑑定報告書ができたとしても、裁判所が取り上げてくれるかどうかわからない。運しだいというか、裁判官しだいだ。鑑定費用がまるまる損することも十分ありうることなので、ここは本当に注意してほしい。