10年後「自家用車激減」の衝撃――オワコンになる意外な業界とは?
新聞とかでも雑誌とかテレビとかでも、若者の車離れが進んでいるとよく言われるのですが、田舎暮らしの私にはピーンとこない。その実感がぜんぜんありません。何かの間違いではないのか。
公共交通機関がなくなってしまった田舎では、車なしではスーパに行くことも病院へ行くこともできないからです。都会のような交通機関が多種あるならともかく、田舎の若者は車くらいしかなく、それに今も田舎の若者は車好きです。うちの息子もそうです。
ところがこの記事では、
現在、日本国内には約6200万台の自家用車が登録されているが、最大で25%、自家用車が減るということは、1500万台の自動車が世の中から消滅することを意味している。
などと日本の将来を展望しています。将来のことは私にはわからないが、
>近年、クルマを手放す人が増えている
という事実認識のもとに上記説を唱えているのですが、
今現在、本当に車は減っているのだろうか。
先のことはこの記事のとおりなのかもしれないが、これはどうもおかしい。実感にあわない。
消費税増税があったから今後はどうなるのかはわかりませんが、下の図をみればわかるように、実際は、軽自動車以外の車種はほぼ横ばいですが、軽自動車がすごい勢いで伸びている。軽自動車が多く保有されており、その結果、車の保有台数全体も増えています。
>近年、クルマを手放す人が増えている
というのは、明らかに事実に反しますね。
さて、次にその保有にいたった理由です。すなわち、新車を購入したのか、あるいは中古車を購入したのかです。
図を見ると、新車販売台数のピークが1990年であり、その後低下しているが、その反面、中古車市場が急激に成長していることがわかります(なお、この数字は業者間の取引を含む)。
新車販売の不振が事実としてあるが、それを補うかたちで中古車が売れているのです。なお、リーマンショック(2008年)後、新車・中古車いずれも一度は販売台数が低下していますが、中古車についてはその後復調していますね。
中古車販売の復調。これは決して悪いことでないと思います。それ以前は、新車を買って数年経ったらまた新車に買い替えるのが一般的なパターンでした。スクラップアンドビルド。古くなったら新しいものに変えるという風潮。
それが近年では、新車から中古車への乗り換えが一般的になりつつあります。古いものを再利用するという風潮に。それを可能にしたのは車の耐用年数が伸びたことです。それが大きいでしょう。それと、収入が減ったこと。
古いものを再利用するのは限られた資源の有効利用ということで、私は大賛成です。ただ、生活路を車が我が物顔で進入してくるのはいただけません。将来的には歩車分離が進むことがいちばんですね。