これはひどい。トラックやバスの運転手の睡眠不足の申告義務化

睡眠不足は乗務禁止 トラックやバス、6月から義務化

05月14日 05:04朝日新聞

トラックやバスの運転手は6月から、乗務前に必ず睡眠状態のチェックを受け、不足の場合は乗務できなくなる。輸送業界は人手不足が深刻で、運転手が過酷な勤務を強いられ睡眠不足による事故も目立つことから、国土交通省が事業者への義務化を決めた。

貨物自動車運送事業法などに基づく省令を改め、事業者がドライバーを乗務させてはならない項目に「睡眠不足」を新たに盛り込む。「疾病」や「疲労」などはあったが、睡眠不足は明記されていなかった。

事業者は、乗務前に運転手の健康状態や飲酒の有無などを確認する「点呼」の際に睡眠が十分かを確認することが義務となる。睡眠時間には個人差があるため具体的な時間についての基準は定められていないが、睡眠不足のまま乗務を許可したと認定されれば運行停止など行政処分の対象となるため、事業者は厳しい対応を求められる。具体的には、運転手と対面などでやり取りし、睡眠不足による集中力低下など安全に支障がでる状態にないか丁寧に確認して結果を記録として残さなければならない。

ドライバー側に対しても、睡眠不足についての正直な申告を義務化する。

 
休車損害の件で運送会社によく行ったものだ。運送会社の規模が中小の場合の担当者は社長とかが多かった。トラックが壊れる。運行できない。その場合の対応は以下のとおりである。

1遊休車使用
2実働車使用による社内調整
3外注依頼(傭車)
4キャンセル
5リース
6上記組み合わせ

この中に「キャンセル」というのがある。私がトラックが使えなくなったときどうしたのか。キャンセルは?と質問すると、バカを言うんじゃないというような顔をされて、あきれられていた。私もキャンセルすることなどほとんどあり得ないことは知っていたが、いちおう可能性の問題として、確認しなければならない。

どうしてキャンセルがありえないのか。運送会社の担当者いわく、トラックが事故で使えなくなったからといって、その日の仕事をキャンセルするなどできるわけがない。もしそれをやったら、取引先の信用を失って、休車損どころの話ではなくなり、取引先を失うことになる。だから、代わりのトラックをなんとかするしかないし、それがだめなら、他の業者にお願いしてでも、なんとかするしかない。決して穴をあけてはならないのだ。

ところで、寝不足による交通事故が多いため、運転手に睡眠不足かどうかの申告をさせるらしい。運送業界は運転手が足りない。もし、睡眠不足だからその日の業務が禁止されるとして、代わりの運転手がいるのか。いるわけがない。じゃ、キャンセルできるのかといったら、そんなことは、冒頭であげた話からわかるように、できるわけがないのだ。

けっきょくは、運転手に睡眠不足かどうかを確認しても、たとえ事実として睡眠不足だったとしても、ウソの申告をするしかないだろう。こんなことなど、改めて書くまでもないくらいの常識ではないだろうか。

で、寝不足が原因で、万が一、事故でも起こしたらどうなるのだろうか。ウソの申告をした運転手の責任ということにならないのだろうか。申告制度は、運転手の責任が増し、逆に、使用者側の責任の免除、少なくとも軽減という方向に向かわないのだろうか。これでは睡眠不足を抑止する効果などなく、寝不足が原因での交通事故は減らないだろう。使用者側の責任の軽減ということになれば、睡眠不足による交通事故はもっと増えるにちがいない。まったくひどい話だ。

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