損保ジャパンが「不払い」で炎上中

損保ジャパンが「不払い」で炎上

事の発端はこのツイートです。

買替諸費用も提示されていた

その後の経過を追ってみると、「修理費も全額払わないが、買い替えにかかる費用も払わない」という記載は正確でないことがわかりました。損保ジャパンの提示内容は、

・過失割合に争いはない(追突による100%の過失を認めている)

・全損だから修理費全額は払えない(いわゆる経済的全損)

・40万円(時価額+買替諸費用)を提示済み

というものでした。

「経済的全損」というのは、修理するよりも、同種・同等の車両を市場で購入した方が経済的・合理的だからという考えからきていて、修理可能でも市場で調達した方が安い(時価額+買替諸費用)場合、全損扱いにすることです。

さらに詳しく説明しますと、

ⅰ技術的には修理できるが、修理費用が事故前の車両時価を上回る場合

ⅱ技術的には修理できるが、修理費用と修理後に予想される評価損の合計額が事故前の車両時価を上回る場合

ⅲ谷底に転落したり、水中に没した車両を引き揚げることは可能だが、引揚費用とその後の修理費用の合計額が事故前の車両時価を上回る場合
です。

損保ジャパンの提示額は妥当である

40万円が妥当かどうかですが、被害車両は「9年落ち12万kmのAZワゴン」です。

カーセンサーで調べてみると、14件がヒットしました。そのうち買替諸費用込の支払総額を明示しているものが10件ありました。

支払総額とは、車両本体価格に諸費用を加えた金額です。 諸費用には、自動車重量税などの税金からなる「法定費用」と、登録代行費用やオプション装備費用など、販売店に支払う「販売店手数料」の2種類があります。 支払総額欄では、諸費用を合わせた金額を掲載しています。
カーセンサーnet

以下はその額です。

39.4万円。

29.0万円。

30.0万円。

38.0万円。

24.8万円。

27.8万円。

34.0万円。

17.8万円。

39.0万円。

39.0万円。

損保ジャパンの40万円の提示は妥当なところですね。というか最高額提示ですよ。で、ツイートで以下のように述べさせていただくことにしました。

休車損の請求はハードルが高い

休車損について言及してしまったので、請求すればもらえると誤解されても困るかと思い、追加のツイートをしておきました。

批判は正確に

批判は必要ですが、この炎上劇、検証の結果、「批判」のほうがおかしいと判明しました。くわえて、査定者への個人攻撃(実名を晒すこと)までしています。怒りにまかせてとか、自分のほうが正しいと確信してやったのでしょうが、冷静さに欠けていると思いますね。

(追記)

「批判は正確に」と書いておきながら、お恥ずかしながら本文中に一部間違いがありました。すぎさんからのご指摘です(コメント欄参照)。ご指摘のとおりかと。

休車損については代車が出ている場合、休車損によって発生する損害額と代車代は相殺されます。本件は代車が1か月も出ていたとの指摘があり、休車損を論ずるまでもないのではないかとのことでした。ここに訂正します。申し訳ございません(汗)。

4 COMMENTS

すぎ

代車が1ヶ月出ているんだから、休車損は発生しないでしょ。
この被害者が言っているのは車両オプションが全損額に加味されていないことなのでは?
全損でもめるポイントだよね。

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ホームズ事務所

すぎさん、コメントありがとうございます。そうか、代車出ていましたね。うっかりしていました。余計なこと書いたみたいで。休車損って何年もご無沙汰なので、自分が過去に書いた記事だけでも確認しておけばよかった。その部分については本文を訂正します。

>この被害者が言っているのは車両オプションが全損額に加味されていないことなのでは?全損でもめるポイントだよね。

この点については現役損保メンさんが「特別損害」とかで、記事で書かれていたので割愛しました。たしかに被害者はそこを強く主張されていましたね。

返信する
lucky

この人のツイッターみましたが、この被害者の人の車は、日常生活で使っている車両なので、そもそも休車損の発生する車両ではないのでは?と思いました。

返信する
ホームズ事務所

そうでしたか。そういうことであれば休車損の話なんか最初からしなかったのに。

新聞記事だったかご本人のツイートだったかで、仕事で使っていたように主張されていたので、あ・あ、それなら休車損と条件反射的に書いたものだから、あとで間違いを指摘されて冷や汗でした。

コメントにしろ記事を書くにしろ、できあがった時点で公開はよしたほうがよく、少なくも1日マをあけたほうがいいのはわかっているのですが、その時点では間違いないと思っているのでむずかしいです。

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