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自賠責の加害者に対する照会状
交通事故に遭った被害者が自賠責に請求を行うと、自賠責調査事務所から加害者に対して照会を行います。その際に、加害者に対して「事故についての照会状と回答書」以外に、被害者が提出した事故発生状況報告書のコピーが送られます。こういう書面です。
被害者が提出する「事故発生状況報告書」の書き方
この書面は被害者が書くものです。かんたんな記載でかまわないことになっています。わからないところ(たとえば加害車の速度とか)があったら、記載しなくてもかまいませんし、その内容が事実かどうかを確認するために自賠責から加害者に送ります。
加害者である貴方がみて事実でないと思ったら、その旨申告すればいいのです。図のほうもかんたんに書いてあるし、道路幅も正確でないかもしれませんが、おおよその事故状況が事実と相違なければいい。
なぜそうなのかというと、自賠責では過失割合を厳密に決める必要がないからです。過失100とか、重過失減額(70以上)とかが問題になるだけだからです。問題があると思われた時はあらためて調査がはいります。
照会状の実際
こちらが「照会状」です。
事故車の写真とか修理証明書とかが要求されています。自賠責は人身事故のためにあるのになぜかと思われた方がいるかと思います。これは、被害者のケガが事故と関係があるのかどうかを推測するためです。
ほかに、加害者側に立替金がないのかどうかとか、示談が成立しているかどうかを確認します。これらを確認するのは二重払いのリスクを減らすなどのためです。
損害保険料率算定機構は、この照会状を送ってから10日間待つことになっています。回答のない場合は、事故状況に食い違いがなく、加害者に立替金がないと判断し、支払いの手続きにはいります。
「事故発生状況説明書」をみれば、調査事務所が何を重視しているかがわかる
他にこういう文書もあります。これは自賠責調査事務所の内部資料である「事故発生状況説明書」です。おい・おい 勝手に公開して問題ないのかと言われそうですが、部外秘のマル秘資料になっているものの、損保の人身担当者ならみなさん知っていますよ。マル秘なのに事故被害者にだけマル秘扱いは公平でありません。幣サイトの読者の特典だと思ってください。
ネットで調べてみましたが、だれも言及さえしていないようです。ここに、被害者の書いた事故発生状況報告書の内容と違う重要な点などを書き込むのです。自賠責調査事務所が何に注目しているのかがよくわかる資料です。
受傷機転(事故により受傷に至るまでの経過)
出典が自賠責なのか不明なのですが(わかり次第追記します)、古いが他にこういう資料もあります。受傷機転で何が調査ポイントなのかがよくわかる資料です。
回答書の解説
損害保険料率算定機構のHPで確認したら、私が保険調査員だったころと「問いあわせ」の考え方の基本は同じなのですが、書面自体が細分化され増えていました。昔の記憶に頼って不用意にわかったつもりで書くと間違えそうです。精査した上で、加筆します。(以上に書いたことで)古い情報のためもし間違いがあるようでしたら訂正するつもりです(汗)。
他に関係しそうな分野で参考になる情報を発信されているのが山中理司弁護士の「保険会社の説明義務」です。自賠法16条の4や16条の5等の隣接分野の理解が必要ですね。精読した上で(つづき)を書くつもりです。